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2024.12.06
12月4日は血清療法の日です。
12月4日は「血清療法の日」です。血清療法とは,「人工的に作られたポリクローナル抗体を含む血清を投与して治療すること」と定義されています。
1890年12月4日,北里柴三郎博士とエミール・フォン・ベーリング博士が連名で,ジフテリアと破傷風の血清療法に関する論文を発表しました。
この論文によって血清中に含まれる抗体(抗毒素)の存在が明らかになったこと,そして,感染症に対する治療法として血清療法が確立されたことは,きわめて画期的でした。血清療法の確立は,その後の破傷風やジフテリアのワクチンの開発につながりました。破傷風やジフテリアはワクチンにより激減し,現代の日本ではほとんど発生がみられません。
血清療法は,134年が経過した今も現役の治療法です。これほど長い歴史のある治療法は珍しいです。血清療法は現在,毒ヘビ,毒グモ,有毒海洋生物などに咬まれた患者さんや,ジフテリア,ガス壊疽,ボツリヌス,破傷風などの患者さんに対する治療法として行われています。現在も多くの人々の命を救っています。
北里柴三郎博士は「近代医学の父」として知られ,2024年7月より新千円札紙幣の肖像画として登場しています。細菌学の分野で多くの功績を残し,感染症の予防と治療に貢献したことで知られています。
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